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ビジネスマンのメールの意味。リスクを避ける「エビデンス」メール

あなどるなかれ、ビジネスマンのメールの意味

ビジネスメールのノウハウは、世にあふれています。
多くは、定型文を示して、すぐに使えるような実用的なものが多いようです。

ここでは、それらの通りいっぺんのノウハウは示さず、ビジネスメールの本質に迫りたいと思います。
ただし、その本質論もあまた存在します。

そのなかで、今回は、リスクを避ける「エビデンス」メールに焦点を絞ってお話ししたいと思います。
これは、私が実際に経験して来た、実際の話を元にしてあります。

メールは全て「エビデンス」

数年前、社会を騒がせたIT企業の不祥事。
捜査当局は、パソコン、サーバー類を押収し、そのすべてを読み解き、検証した。エビデンス捜査とも言われました。やがて、事件は山場を迎え、ついには立証、立件、裁判となりました。

さて、もう1つ実例を示しましょう。

証券会社の社員が、業者などに送信するメール。それらのメールには、必ず、あるフッターが表示されています。
皆さんも、個人的なメールの末尾に「署名」として、フルネームや電話番号を添える人もあるでしょう。
会社勤めの人の送るメールには、会社の連絡先が入ります。
しかし、その証券会社からのメールのフッターは、異様でした。
長々と文章が続く。
要は、誤送信を恐れたリスク回避の文言でした。

みなさんが、日々、何気なく打ち込んでいるキーボードは、恐ろしいスイッチともなります。大は、新聞沙汰になるようなことから、小は誤送信によるトラブル。(小で終われば幸いですが)

私の体験を1つ書き添えましょう。時代は昭和。まだメールもない。ファックスが「文字」などを手っ取り早く取引先に送る手段でした。ちょっとした、手先のミスで、大事な見積書を全くの他人に誤送信してしまいました。そのあとの始末を思い出すと、今でもゾッとします。相手にしてみれば、こちらがどう言い逃れしても、ファックスから出てきた紙が、エビデンスとなっているのですから。

「エビデンス・メール」が動き出した

さて、エビデンスとは、業界によっては使い方が違うでしょうが、一般には、「証拠」と訳されます。
2つ示した例では、少し遠い話に聞こえるでしょうから、私の体験を書きましょう。

今度は、平成のIT時代のことです。
当時、私はある大手通信業会社に勤めていました。職種は営業。
営業ですが、外回りの時間より、キーボードを叩いている時間がはるかに多かったのです。

いつものように、メールを書き終えて、大口顧客の担当者に送信しました。
程なく、その担当者から、私のデスクの直通回線に電話が入った。
かなりの慌てようでした。

「Sさん、まずいよ」

最初、私は、メールに添付したエクセルファイルを間違えて、他社のファイルを誤送信したのかと、疑いました。あの昭和のファックスの時のように。
しかし、ファイルには顧客ごとのパスワードが施してあります。
最初のお客様には、そのファイルのパスワードを、メール送信後に、電話で連絡していました。
やっている人もあるかと思いますが、やるといいと思います。顧客の信頼を得ると思います。
しかし、電話の主の話はそういうものでは、ありませんでした。

「エビデンス・メール」に救われる

「これでは、話の筋が全く違う。これは、まだ仮定の話で、このままでは、膨大なコストが今月から発生する事になる」
最初何が起こったのか、理解できませんでした。

時間を少しさかのぼりましょう。

この日、その担当者と午前中、込み入った商談をしました。
帰社すると、この部署の営業マンの常としての業務を始めました。商談内容を克明に書き出し、メールに打ち込んでいくというものです。

結論から書いて、まとめを最後に書く。何て、形式はどうでもよかった。
形より、お互いの理解や認識にズレがないか、をあぶり出すために、すべてを書きました。録音し、文字に起こすシステムは、今はあるでしょう。方法は問いません。誤送信よりも恐ろしい誤理解。これを避けるのです。理解や認識が1ミリずれていると、先々数億の売り上げが吹っ飛ぶ。
そういう部署でした。
その「エビデンス・メール」を読んだ顧客が、先の電話をかけてきたのでした。実際の損失につながる前に、事なきを得ました。

すべては、よい仕事のために

Connection Digital Device Nteworking Technology Concept人間には、思い込みや記憶違いという事が必ずあると思います。
1人でいてもそうなのだから、利害関係が絡む商談となるとなおさらでしょう。
どんなツールでもいいですが、今回は、メールの本質に特化した話だから、このメールの本質をよく知ってもらいたいと思いました。
このエビデンス・メールにはおまけが付きます。
顧客別、案件別に分ければ、進捗管理にも活用できる。
おまけはともかくとして、要は、言った、言わないを避けるためのリスクヘッジなのですが。この課題は、昭和の時代でも、IT時代でも、今後も続くテーマだと思います。
よい仕事のために、表面の形式だけにとらわれず、それをどう使って、よい仕事につなげるか。顧客の信頼を得るか、これも永遠のテーマだと思います。


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