現代社会ではネットが普及して、人と直接話さなくてもメールやラインで連絡を取ることができます。
しかしそんなネット社会でも、やはり電話は必要不可欠です。
急な用事がある時や、文章にすると余計に時間や手間がかかる時などに電話を使用する人も多くいます。
そのため、大きな会社ならば新人研修でビジネスマナーとして「電話応対」のセミナーがあります。しかし中小企業や中途採用で研修を受ける機会がない人もいるでしょう。
「電話に出てください」と言われた時の為に基本的な電話応対のマナーを知っておき、是非役立ててください。
ワンコールですぐに出る
電話をかけてくる人は、取引先か顧客か、あるいは外出中の自社の社員か分かりません。
とにかく受話器の向こうで待っていることは確かなので、出来るだけすぐに出ることが大切です。
手元にメモと筆記用具を準備しておき、右利きであれば右手にペンを持ち、左手で受話器を取る様にします。最初の言葉は、「お電話ありがとうございます、○○株式会社でございます。」が一般的です。
また、中にはワンコールを徹底している企業も多くあります。
もし電話を掛けてきている人がクレームを訴えたいお客様やクライアントの場合、電話にすぐに出ないことで、「ずさんな会社」というイメージが強くなってしまい、さらに悪い印象を持たれかねません。
3コール以上待たせたら、まず「お待たせいたしました」と言うようにしましょう。
見えなくても姿勢を正して笑顔で話す
電話では相手の顔が見えません。
その為に、脚を組んだままだったり、女性はネイルの状態を見たりしながら話している人もいます。
しかし姿勢の悪さは声や話し方に表れるもので、筋肉がたるんでだらしのない声に聞こえます。
相手が見えなくても姿勢を正し、笑顔で話す様に心がければ、明るい声色になります。
「電話に出る時には高い声で」と指導されることもありますが、高さよりもハリのある声で話すことが大切です。
また、電話をしている人の周囲で無駄話をしたり、笑って盛り上がるのは絶対に避けましょう。
笑い声が聞こえると相手が自分がバカにされているのでは、と思ってしまうこともあります。
相手と話す時のマナー
以下のフレーズはビジネスマナーとして必ず使いますので覚えておきましょう。
「いつもお世話になっております」
相手が名乗った時に使うフレーズです。
「お世話になっていない」「初めて対応する相手だ」と思っていても、ビジネスマナーとして言わなくてはなりません。
相手から先に言われた場合には「こちらこそ大変お世話になっております」と返します。
たまに相手の方から冗談で「世話なんかしてないよ」と言ってくる場合がありますので、その時には「この度はお引き立て頂きありがとうございます」と言っておきましょう。
「失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか」
相手がいきなり「○○さんいますか」と言ったり、用件を話し出す場合もあります。
必ず相手の会社名や名前を確認することが大切なのですが、これが意外と聞き取りにくいこともあります。ですが、「まいっか」と受け流してしまい、後で担当者に伝えるときに誰だか分からないとなれば、困った顔をされても仕方ありません。なので、相手の名前は必ず復唱して確認することが大切です。
また、中には横柄に「○○くんいる?」と切り出してきたりする人もいます。一度聞いた声と名前はなるべく覚えておくと、印象が良くなります。
「申し訳ございません、少しお電話が遠い様なのですが」
携帯電話で電波の状態が悪く雑音が入ったり途切れたりする時だけではなく、相手の声が小さくて聞き取れない時に使います。この言葉自体が「もう一度言って下さい」という意味ですので、それ以上は言わなくて大丈夫です。
単にこちらが聞き取りそびれてしまい、もう一度言って欲しい時には、素直に「申し訳ございません、もう一度おっしゃっていただけますでしょうか?」と言います。相手が早口だったり訛りがある時でも、自分のせいにします。
相手の声が聞こえず、しかもこちらが言っていることが伝わっていない状態ならば、「申し訳ありませんが、お電話が遠い様ですので、一旦切らせていただきます」と言ってから切ります。
「○○はただ今席を外しております」
社内にいることは確かだけれども見当たらない場合に使います。間違っても「トイレ休憩です」等と言わない様にしましょう。
担当者不在の場合
まずは相手に担当者が不在であることを伝え、折り返し電話をする承諾を取ります。相手の都合の良い時間帯についても確認しておきましょう。
メモの内容は簡潔に、電話がきた時間と相手の名前、用件が分かる様にします。
自分が担当者ではないのならば、それ以上余計なことをする必要はありません。
会社を代表して応対していることを忘れずに!
電話応対のマナーは学びだすとキリがありませんので、女性先輩の電話応対をよく聞いておきましょう。
相手にとっては電話に出たのが誰であれ、会社を代表している人物と見なされていることを忘れないようにしてください。