晴れて組織を率いるリーダーのポジションに就いたとき、はじめに何から手を付けるべきなのか?それはいつまでに終える必要があるのか?リーダーとしても評価されるためにやるべきこと、評価されている多くのリーダーがやっていることをご紹介します。
今日からあなたは真のリーダーとしてこれまでとは違った責任を負ったのです。
試行錯誤で遠回りすることなく、最短、最速で誰からも評価されるリーダーになってみてはいかがでしょう。
リーダーの第一歩は自分の後任選びから
新たにリーダーとなった多くの人が、まずはじめに手を付けるのが、チームの課題を正しく把握することです。
そのためにメンバーひとりひとり、社内のステークホルダーとインタビューを行っています。
しかし、インタビューの目的が課題把握だけではニューリーダーとして効果的なスタートとはなりません。
インタビューする際には必ず「自分の次のリーダー候補探し」を目的に加えなかえればなりません。
着任早々に、自分のポジションを譲るための後任候補を選別する訳、それこそがリーダーに求められる人材育成の第一歩だからです。
リーダーになった時点であなたは一定以上の評価を受けているのですから、次に企業があなたに期待するのはチームの強化であり人材育成です。
もしかしたら自分よりも年配のチームメンバーが居るかもしれません。
評価はいまひとつでも自分と同等、あるいは自分以上の実力を持つメンバーも居るかもしれません。
万一優秀なメンバーが居なければなおのこと、誰を次のリーダーに育てるのか、という基準を持つことが後々に如何に人を育てるべきかという命題に繋がるのです。
そして、後任を育成するということは同時に自分自身がさらに次のステップを目指して努力を続けるというコミットメントにもなるのです。
メンバーひとりにつき、最低3分間語れるようになれ
リーダーとして、チームメンバーひとりひとりについて把握することはとても重要な事です。
インタビューを通じ、ある程度、メンバーのことを判った気になれることでしょう。
では、何を基準にメンバーのことを把握できたとすべきでしょう?
ひとつの目安はメンバーひとりにつき、3分間語れるようになることです。
これまでのキャリア、得意な作業、不得手な分野、好きな食べ物、家族構成、何でも構いませんが、とにかくひとりについて3分間語れるようになれば、そのメンバーのことを判ったと言っても構わないでしょう。
メンバーひとりひとりを把握すること、それは組織力を高める第一歩となります。
メンバーの個性は組織にとって効果的に発揮されているのか、担当や配置を変えることでより強い組織となる得る可能性がないかなど、それはまるで野球の打順を決める様な、あるいはサッカーの布陣を決める様な作業です。
メンバーの再配置によってチームが活性化することはよくあるものです。
もしあなたにメンバーを入れ替えるだけの人事権があったとしても、可能な限りメンバーをよく知り、再配置を先に検討すべきです。
新しい人材を登用するよりもはるかに短期間で効果を出すことができるはずです。
仮に3分間語れるようになったとしても、メンバーがインタビューで本心を語ったのかどうかについては疑念を残しておく必要があります。
本心を引き出せるか否かはメンバーの問題ではなく、リーダーのコミュニケーションスキルの問題なのですから。
必ず有言実行で。不言実行の価値はゼロは等しい
新たなリーダーとして何を成し遂げるのか、目標、戦略、戦術を含むビジネスプランを策定したなら、それを必ず社内のステークホルダー周知しましょう。
優秀な一般社員の多くは不言実行を好む傾向にあります。
こっそりと努力を積み重ね、ある日大きな成果をあげて周囲から驚きを伴った賞賛を浴びるのを好みます。
しかしリーダーが同じことをしても企業はそのリーダーを評価することはありません。
なぜなら企業活動は予測の連続だからです。
営業成績も障害対応も、新規ビジネス立ち上げにおいても、いつ何が起きるのかを企業がプランすることが株主へのコミットメントなのです。
もし予定にない大きな売上があったとしても、それは売上予測の精度が低いということにしかなりかねません。さらに今後も同じような売上が期待できるのか、それともただのラッキーな一時的な売上なのかも判断できません。
そして有言実行を体現することを必要としているのは企業執行部だけではありません。
実はチームメンバーにとってもリーダーの有言実行は不可欠なのです。
リーダーの有言によってメンバーは目指すべき方向をひとつにして、奮起できるのです。
もしもリーダーが不言実行タイプだったら、そのチームのメンバーは各々勝手なゴールを目指すこととなり、せっかくの個性を組織の力に束ねることができなくなってしまうのです。
ニューリーダーに与えられた期限はわずか1ヶ月!!
後任の選定、メンバーの把握、ビジネスプランの周知までにリーダーが使える時間的猶予はわずか1ヶ月です。
チームメンバーや社内ステークホルダーの数によっても異なると考える人が居るかもしれませんが、それは間違いです。本来リーダーは2週間でこれをやり遂げるくらいの意気込みが必要です。
1ヶ月という時間は長い過ぎるくらいですが、会わなければならない人が多く居ますので、相手の都合も考慮しての1ヶ月です。1ヶ月あれば80人はインタビューできるはずです。
もし1ヶ月で必要な人とのインタビューが実現できなかった場合、そのリーダーへの周囲からの期待値はその程度と考えざるを得ません。
ニューリーダーとの打合よりも優先しなければならない仕事がそれだけ多いということなのですから。もしそんな状況になっているのであれば、そのリーダーを登用した本人に周囲が協力的でないことを進言し改善を促すべき事態なのです。
新たなリーダーとして適切に周囲を巻き込みつつ、自身のチームの組織力を最大化するために、わずかな時間を惜しむこと無く働きましょう。リーダーになりたての時以上に懸命に働くべき時は無いと言っても過言ではないのですから。
最後に留意事項をひとつ。
首尾よく自身の後任候補を選定できたのなら、その候補者にだけ「あなたを次期リーダーとして育成する」と宣言しましょう。
その宣言によって、候補者の振る舞いはより一層良い方向へ変わるでしょう。
ただし、候補者以外に知らせる必要はありません。次期リーダーを目指しているメンバーが他に居た場合、貴重なメンバーを失うリスクを負うことになってしまいます。