発言することが苦手と思う方は大勢いらっしゃいます。しかし、発言をしなければ、周囲の人々はあなたの考えやせっかくのアイデアも知ることはできません。どんなに素晴らしい考えを持っていても、周囲にまったく伝わらず評価を下げてしまう方というのは、残念ながら少なくありません。つまり、発言力を持つということは出世の近道にもつながるわけです。
では具体的に、発言力を身につける方法を見ていくことにしましょう。大きく分けて3つのポイントがあります。
1.発言が上手な人を見つけましょう
会社には積極的に発言をし、それほど良いアイデアを出さなくても高評価を受けている方というのは必ずいらっしゃいます。まずは、こうした方をよく観察してみることをおススメします。
最初に発言するにあたっての態度や様子をみてみましょう。
アメリカの心理学者であるメラビアンによると、人は話の内容より見た目を重視しているという心理が備わっているそうで、これを「メラビアンの法則」と言います。この法則に従い、人の発言態度を観察するわけです。
「表情はどのようか?」「身振りやジェスチャーは使っているのか?」「声のトーンはどうなのか?」といったことがポイントになります。
次に話の組み立てをみてみましょう。
「結論は先なのか後なのか?」「結論の根拠は具体的で、事例は入っているのか?」「課題に対する提案はなされているのか?」「大切なことを繰り返し述べているのか?」などがそのポイントです。
さらに、聞いてる人からの質問や反論に対して、どのように対応しているのかもよく観察しましょう。
2.会議のイメージトレーニングをしましょう
発言が上手な人を観察し、手本となる人を見つけてまずは真似ることを「モデリング」と呼びますが、その前に実際に自分が出席する次の会議や打合せなどで、議題やテーマにあがると予想される事柄を紙やパソコン、スマホなどで列挙してゆき、その議題に対しての自分の考えをどんどん書いていきます。その際、自分が発言した内容に、どんな質問が来そうなのかも予測しながら書いていきましょう。
これは一種のドラマのシナリオのようなものですが、まとめると次のことがポイントとなります。
まず、列挙し、整理したものの中から自分が話したい結論を、誰が聞いてもわかりやすいようななるべく短い言葉にするということです。
そして次に、質問が来そうな事柄に対しての答えを、根拠と具体例を交えながら用意し、書いていくことにしましょう。
最後に、もし課題や問題点などがあれば、改善改良点をまとめ、その提案も事前に用意しておくとよいでしょう。
以上が会議のイメージトレーニングとなります。
3.目指す人をモデリングしましょう
上記のような自分なりのシナリオができたら、目指す人になりきってモデリングし、声を出しながら練習してみましょう。そして、目指す人に心までも近づけていき、「自分には発言力がある」と思い聞かせていきましょう。
こうした思い込みは自己暗示にもつながり、潜在能力を刺激してくれるのでとても効果があります。ぜひ、実践してみましょう。
「発言力が自分にはない」と感じる方というのは、過去に会議中に上司に怒られたり、うまく話せなかったり、赤面してしまったり、汗が噴出してしまったりといった失敗がトラウマとなってしまっていることがよくあります。
ですので、まずは目指す人に外見も心もなりきって、自分や過去の失敗をまずは取り払った方がよいでしょう。
そして、バカバカしいと思ったとしても、自分で作ったシナリオを誰もいない場所でなるべく大きな声で話し、練習してみましょう。
発言力がないと感じているうちは、こうした地味な練習こそが効果があります。まずは行動力をつけていくことをおススメします。
最後は自分をほめてあげましょう
ここまでのポイント、いかがでしたでしょうか。
シナリオ通りに練習し、自分は発言する力があると信じることが大切だと、おわかりいただけたでしょうか?
本番では、シナリオでは想定していなかった質問や反応もある場合もあります。しかし、そんな場合も焦らず、目指す人になりきってモデリングし、心に余裕を持つことが大切になります。
そして、会議や打合せ後、うまくいったところを必ず自分自身で誉めてあげることでより自信にもつながり、発言力が身につくことになるのです。