会社に入社して数年が経てば、新人の期間は終わりをむかえて新しくできた後輩を育成する立場を任されることがあります。
それまでは先輩や上司の言うことを聞いていれば良かったのかもしれませんが、立場逆転で今度は後輩育成です。
ですが、後輩を育成することは決して簡単ではありません。では、仕事で活躍できるように後輩を育成するには、いったいどんな方法やノウハウを用いれば良いのでしょうか?
今回は、これから初めて後輩を育成する人に向け、その心構えやノウハウについて紹介していきます。
1.後輩の仕事に対するスタンスをまずは知ろう
仕事に対するスタンスは、人それぞれです。熱意を持って取り組む人もいれば、最低限の仕事さえできれば良いという人もいます。そして、それはまだ会社に入って間もない後輩も同様です。
これから後輩育成をしなければいけないという気持ちでいっぱいになってしまうと、肝心の後輩のことが見えなくなりがちです。しかし、それでは臨機応変な育成ができません。つまり、まずは後輩の仕事に対するスタンスを知ることが大事です。
最近では飲みに行って後輩のことを知るということがしにくくなっていますが、それでも探ろうと思えば探れるはずです。何に興味を持っていて人生の中で仕事を何番目に考えているのか、そこをまず見抜きます。
もしも仕事が1番というぐらい仕事に力を入れようとしている後輩なら、多少厳しく指導しても大丈夫です。スパルタ式の育成をしてもへこたれずについてきてくれますので、ビシビシ指導すべきです。
逆にそうではない後輩は、まずできることからやらせて自信をつけさせるべきです。そうでないとすぐに気落ちして仕事のモチベーションを保てないです。
ですので、まずは後輩の仕事に対するスタンスを知ることが後輩育成で最初にすべきことです。
2.飴と鞭を使い分ける
オーソドックスですが、後輩育成で大切なのは飴と鞭を使い分けることです。
たとえば飴ばかりあげて甘えさせてしまうのは、後輩育成において良くないです。先輩や上司が厳しくないと後輩はだらけてしまいます。また、先輩や上司、さらに仕事までナメるようになってしまいます。それでは人材育成ができているとはいえませんので、厳しさは絶対必要です。
厳しくすれば自分が嫌われやすくなりますが、そこは育成する立場にある以上覚悟しなければなりません。たとえ後輩と仲良しこよしの関係を築けても、仕事が疎かになったのでは本末転倒です。ですから、後輩育成の立場では厳しさを忘れてはいけないです。
ただ、むやみやたらと厳しくするのも良くないです。
それではただの職場でうるさい人になってしまいますので、頑張っていたり、成果を出したら素直にサラリと褒めてあげることも重要です。そうすることで、後輩は仕事に対するやりがいを自ら見出せるようになれます。そうなってこそ、一人前の社員に成長していくのです。
3.一人で抱え込まず職場全体で解決する意識を持つ
会社を預かる経営者ではないのですから、後輩育成の悩みを一人で抱え込む必要はありません。
後輩育成を任されて責任感を抱くのは良いことですが、その責任感に押し潰されてしまったらマイナスです。他力本願ですぐに上司をあてにするのはいけませんが、悩んだときは同僚や上司に悩みを相談してアドバイスをもらうことも必要です。
例えば後輩育成のカリキュラムやスケジュールを組んでも、その通りに後輩が成長するとは限らないです。
期限までにできて欲しいことができないことも、仕事の現場ではよくあります。
そんなときに自分一人で何とかしようとするのではなく、誰かの力添えやサポートを求めることも決して間違いではありません。
同じ後輩でも個々の能力や適性には差がありますので、仕事の習熟度はそれぞれで異なります。それでカリキュラムやスケジュールがズレ込んでも、決して慌てないことです。周りをよく見て必要とあらば素直にサポートを要請し、職場全体で解決する意識を持つことがポイントです。
後輩育成を任されたらどう向き合うか
後輩育成は、リーダー職や管理職をつとめるなら避けては通れない道です。人を思い通りに育成するのは難しく、上手くいかないことももちろんあります。
しかし、まずは後輩のことをよく知り、時には飴と鞭を上手に使い分け、困ったら周りを素直に頼れば柔軟な後輩育成ができます。
もしも初めて後輩育成をするならプレッシャーはあるかもしれませんが、そのプレッシャーをモチベーションに変えて自分も学びながら仕事に取り組んでいくことが成功への近道です。