「営業はNOをもらってからが始まりだ」という言葉は営業職であれば一度は聞いたことがあるでしょう。
実際に新規開拓関連の営業職であればお客様からお断りを受けるケースも多く途方に暮れることもあるでしょう。
ところがほとんどのNOは断り文句であることが多いものです。
もし断り文句によって、それを切り返す方法がわかれば今よりもずっと営業成績が良くなると思いませんか?
そこで今回は営業に対する5つの断り文句への切り返し方法をお送りします。
断り文句に対して必要な営業パーソンのマインドとは
お客様からの断り文句に対する反応が営業成績を左右するといっても過言ではないでしょう。
というのはお客様からの断りに対し、出来ない営業マンこそ「そうですかぁ」と真に受けスゴスゴ退散していくのです。
従って大事なことはお客様からの断りを額面通りに受け取らない事です。
誰だって現状を変えることは怖かったり面倒だったりするのですから、そりゃ誰だって最初は断るものです。
断りは本当に断られたわけではなく、断りの理由についてもお客様からの要望くらいに考えましょう。
また、お客様は営業を断ったことによる損失に気づいていないというマインドも大切にしましょう。
1.「お金がない」
あなたが扱う商品やサービスがいくらのものであろうが、この言葉を言われた場合、お客様の本音としては「お金をかけるだけの価値を感じない」という意味だと捉えるようにしましょう。
つまりこの断り文句を言われた場合は、お金をかけるだけの価値をお客様に伝えていく必要があるのです。
その場合は、営業の神様である加賀田晃氏のように「またまたご謙遜を~」と言いながら「ところでご主人」と別の話題に展開していくのもアリでしょう。
ただ王道でいくならば「この商品を導入することで●●のようなメリットやコストダウン効果が出ればご興味はいかがですか?」と価値を認識してもらうような切り返しをしてみましょう。
ただもう一つの可能性として価値は伝わっているけれども予算が決まっている場合もあります。その場合は「どのくらいの予算で考えられていますか?」とストレートに聞いてみましょう。
2.「必要性を感じない」
「必要性を感じないので要りません」というのは切り込む余地がないと思うかもしれませんが、この断り文句は「この商品を使って得られるベネフィットが分からない。価値が伝わらないから要らない」という心の声であることが多いです。
つまりお客様にはあなたの商品・サービスの価値が十分に伝わっていないのです。
とは言ってもあなたの商品・サービスの説明を隅々までやれば良いというわけではありません。あなたの扱う商品・サービスから得られるベネフィットに気づいていないのです。
「お客様が買っているのはドリルではなく、そのドリルを使って空けた穴である」というベネフィットを表す有名な言葉があります。
お客様がこの商品・サービスを扱うことであろうベネフィットを提案する必要があります。そのためにはお客様にあったベネフィットが何であるのかを探る必要がありますね。
3.「時間がない」
「時間がない、忙しい」ということを口癖のようにいう人っていますよね。
もちろん仕事をしている以上、暇ではないことはわかりきっているのですが「業務が忙しいから無理、対応する時間がないから無理」というのは「時間をかけるだけの価値があるかわからない」と思われていることと同じなのです。
つまり現時点で時間をかけてまで検討する段階にないという意味で優先度が低い状態なわけですね。
であれば逆に優先度を高めさせるためにはどうしたら良いのか?という発想で商談を進めるべきでしょう。
極端な話ですが今すぐ話を聞かないと会社が倒産したり、これから毎日損失が生じてしまう可能性を認識してもらったら優先度は高まるのではないでしょうか。
例えば「忙しいお客様にこそ●●を導入していただくことで業務改善につながるのです!今対策する方が非常に多いですよ」とこのように「なぜ今すぐにこの話を聞かないといけないのか」を明確に示していくことが大切です。
4.「自分一人では決められない」
「相談しなければ自分一人では決められない」という理由から即決出来ないパターン。
これは決裁権が自分ではなく上司や家族にあるということですが、だからといって簡単に諦める理由にはなりません。
この理由に関しては「上司や家族を同意させられるだけの材料がないから決められない」という意識を持つことがポイントです。
その意識さえ持てれば簡単で「どのような材料があれば承認を得られるのか?」という部分をヒアリングしていきましょう。
または決裁権者との再アポイントを設定する必要があれば、さっさとその方向に話を進めるべきでしょう。
5.「今すぐ決められない」
一通り商品説明が終わったあとのクロージングの場面で「今すぐには決められない」と断られることも多いパターンです。
この場合、お客様はすぐに決められないモードに入っており、その深層心理は「失敗したくない」や「不安を感じる」という事の表れだったりします。
このような場合はズバリ即決しても大丈夫である安心できる材料を提示する必要があります。
「失敗したくない」を解消するためにリスク・リバーサル戦法で無料期間を設定したり「購入して3ヶ月間効果がなければ全額返金します」と打ち出したりすることは有効的でしょう。
同じように「不安を感じる」お客様には、不安を解消するために「この商品をこの価格で提示できるのは弊社だけです」と選ばれる情報を伝え不安を解消させるようにしましょう。
最後に
営業に対する断り文句のパターンと、パターンごとの切り返し方法をまとめてみましたがいかがでしたか。
クロージングの段階になってこのような断り文句を言われ諦めたら、それまでの苦労が水の泡ですよね。
ただ気をつけて欲しいのは、今回紹介したトーク手法についてはあくまでも営業マンへの信頼がそれなりにあることが前提でまとめています。
当然のことながら切り返しのトークスキルだけ磨いても営業成績が劇的に伸びるなんてことはなく、しっかりとお客様が感じている不安や課題を聴くことが重要です。