漫画ドラゴンボールに出てくる有名な悪役であるフリーザ。
主人公である悟空と比べても当初圧倒的な力量差があるにも関わらず最終的には負けてしまいます。
今回はビジネス的な見方で敗因を分析してみたいと思います。
なお、ドラゴンボールといえばほとんどの方が読んだであろう漫画と思っていますので、ここでは漫画上の詳しい描写は省いた上で考察しますので悪しからずご了承ください。
情報不足による戦略ミス
最近テレビで引っ張りだこの有名塾講師である林修先生によれば、勝負事で負けてしまう3大要素があると言っていました。
それは「情報不足・慢心・思い込み」です。
フリーザは情報収集という点では重要視していなかったように思います。
戦場にはどのような相手が何人待っていて、それぞれの得意技・長所・弱点など全く把握しないまま臨んでいました。
例えばデンデが回復系能力があることやサイヤ人が生命の危機的状況から回復すると戦闘力が元よりも高くなるといった情報は戦いながら得た知識です。
慢心・思い込みに関しては言わずもがなですね。戦闘力530000の自分にかなうはずの敵が居ないと思い込んでいる感じがしますね。
敵に対して「私の戦闘力は530000です」と情報開示するあたり慢心の塊です。
(漫画なので読者にそういう設定を伝えなければいけないというツッコミはありますが…)
戦いを始める前に事前に情報収集出来ていれば、きっと倒す順番も違ってきたはずでしょう。
まず回復系のデンデを断つという優先順位が生まれることでしょう。
そして最大の誤算はスーパーサイヤ人の存在ではないでしょうか。
クリリンを殺した後に悟空を挑発します。
フリーザ「いいだろう。今度は木っ端みじんにしてやる。あの地球人のように!」
悟空「あの地球人のように?クリリンのことか?クリリンのことかぁぁっ!!(激オコ)」
この後に悟空はスーパーサイヤ人と変身し完全に形勢逆転となります。
これも慢心ゆえに発してはならない言葉が原因で自分の立場を危うくしてしまうというビジネスで有り得る話です。
協業・和解などの交渉による生き残り戦略の放棄
それにしてもドラゴンボールにおける孫悟空は敵に情けをかける事が多いなと感じます。
ベジータが地球に来た時もフリーザとの戦いでも然りです。
間違いなく最後の息の根を止めれるところまで来たにも関わらず、ベジータの時は地球から脱出するのを見逃し、フリーザの時は気を分けてあげています。
「心から他人を助けようとすれば、自分自身を助ける事にもなっているというのは、この人生における見事な補償作用である」
~アメリカの思想家・エマソン~
フリーザは戦いの最終場面で、悟空の気で助けてもらったにも関わらず、その気で反撃にでます。
その結果、当たり前ですがトドメを刺されてしまいます。
これはビジネス的に考えるともったいない話だと思います。
資金が枯渇し倒産間近という状況でライバル会社が資金援助してくれるような話に置き換えると、その資金を元にライバル会社の顧客を獲得する愚策に走るようなものではないでしょうか。
ここでは生き残り戦略としての協業提案や和解交渉などの可能性も考慮するべきだったのではないでしょうか。
あるいは少なくともナメック星という市場からは撤退するなどの可能性もあると思います。
一番の愚策は会社を倒産させてしまうことでしょう。
業態変更のチャンス!?
意外と知られていませんが、フリーザの職業は「惑星の転売屋」です。
暴力で惑星を手中にし、誰にかはわかりませんが売りさばいているのです。
でもこのビジネスモデルではいつかは今回のように限界がくることは予想出来ていた事でしょう。
宇宙広しと言えども需要と共有のバランスでいつかは買い手がいなくなる可能性や、宇宙広しだからこそ自分よりも力の強い存在に遭遇する可能性だってあるわけです。
悟空との戦いはまさに業態変更のきっかけになる出来事として捉えれば違う道だって見えてきたはずです。
今、ノリに乗っている会社だって数年後にはどうなるかわからないのです。
その意味ではひとつのビジネスモデルに固執することなく、新規事業として違うビジネス展開を行って来なかったツケが回ってきたとも言えるでしょう。
さいごに
今回はあえて敵であるフリーザの視点から敗因分析をしてみました。
マンガなんだからそんなツッコミしないでよ~と言われそうですが、たまにはこうして立場を逆転してみると面白いと思いますよ。
ちなみに孫悟空のスーパーサイヤ人化。あれはまさしくイノベーションでしょうね。
シュンペーターは「イノベーションとは創造的破壊である」という言葉を残しています。
昨日までの常識を瞬時に古臭いものに変えてしまうパラダイムのことです。
フリーザも変身してその都度パワーもスピードもアップしましたが、悟空との違いは「怒り」がなくても変身出来てしまう事だったのではないでしょうか。
もともと「イノベーション」という言葉が日本に入ってきた時、「新結合」と訳されてきました。
新たな結合が価値の創造、価値の革新を可能にするのです。
~最短で一流のビジネスマンになる!ドラッカー思考より~