ビジネススキル マネジメント

能力は高いけれど…部下の信頼を築けない上司の特徴

世の中にはいわゆる「やり手」と呼ばれるプロ経営者が増えてきました。

ユニクロの経営者だった玉塚氏やマクドナルドやベネッセなどを経営した原田氏やローソンを経てサントリーの経営を行っている新浪氏などなど。日本でもプロ経営者が増えてきています。

またプロ経営者とまではいかなくても課長職や部長職にプロパー(新卒生え抜き)ではなく、もともと前職で役職だった方が転職するといったケースも増えてきました。

そういった方は逸話も多いもので話を伺うと、「どこそこの営業所が万年全国最下位だったが自分が営業所長になってから全国1位に押し上げた」など高い実績を上げているものです。

ただ、傾聴を続けていると「おや?」と思うこともしばしばあるものです。

そこで今日は能力は高いけれど部下の信頼は築けない上司の特徴を上げていきたいと思います。

自慢アンド自慢アンド自慢…

superhero businessman looking at city skyline at sunset. the concept of success, leadership and victory in business.

先ほど少し書いたように「俺があそこの営業所を全国1位に押し上げた」みたいな話は1度や2度はへぇそれは凄いと素直に感心します。

実際一部門の長になって上と下の板挟みに遭いながら業績を上げるというのは難しいことだと思います。

当然並大抵の努力で成し遂げることは出来ませんので、一日の平均睡眠時間が2~3時間になるまで働いた、とか土日もずっと仕事をしていたとか、そんな話も出てきます。

ただ残念ながら酒の席になるとその当時の話を何度も何度もしてこられるとさすがに参ってくるものです。

「ちょっと自慢していい?実はね…」

と、これくらいの謙虚さを見せて話すのも1回か2回までにとどめておけば聞く側としては、凄いですね~と感心して尊敬すると思いますが、何度も何度も過去の栄光を振りかざすのは逆効果でしょう。

まさに”過ぎたるは及ばざるが如し”です。

「手柄はすべて俺のもの」ジャイアン症候群

先ほどの自慢をする上司に多いのですが手柄を全部自分のものにしてしまう上司も信頼を築くことが難しいでしょう。

営業成績が好調で過去最高を更新するような実績を出した時に、部下やチームを労うこともなく、

「俺の手柄は俺のもの、お前の手柄も俺のもの。チームの手柄も俺のもの」とまるでドラえもんに出てくるジャイアンのような思想を地でいくような上司が居たらと想像すると絶対にこんな上司の下では働きたくないものです。

逆に失敗の責任は自分ではなく部下の能力不足と指摘するような上司だったら目も当てられません。

仮に本当に上司の手腕だけで好成績を残せたとしても、「俺がすべて結果を出した」と主張したら周りは面白くないものです。

ちなみにジャイアンの「お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」に関するエピソードは上記の内容とは真逆のようです。

のび太くんがランドセルを無くしてしまった時にジャイアンが言ったセリフのようで、つまり「お前が無くしたものは俺が無くしたと同じこと。お前の痛みも俺のものなんだよ。」という意味で言ったようです。

これはアツい話ですね。こんな上司であれば信頼は築けるでしょうね。

参考ページ:【感動】ジャイアンの名言「お前のモノは俺のモノ、俺のモノは俺のモノ!」 はこんなに感動する話から!

結局自分の意見ファースト

Lecture and training in business office for white collar colleagues

会議でとても良いアイデアだと思うことを発言したメンバーに対し、「うん、実は俺もそれは考えてたんだよね。だからかくかくしかじかした方が良いと思うよ」とこんな返答したら部下はどう感じるでしょうか。

おそらく意気消沈してその会議で意見することは無くなるかも知れません。

上司である自分が部下に負けることは許されないとでも感じているのでしょうか。

何気ない一言ですがその一言でやる気を向上させたり消失させたりと紙一重なのです。

企業の経営者やリーダーにとって、部下にグリットを持って仕事をしてもらいたいと思うのは当然のことだろう。そのためには、まず、成功を自分だけの手柄にしないことが非常に重要だ。私も実践していたことだが、アイデアのヒントのみを投げ、誰かが(私と)同じアイデアを提案してくるまで、数分待つ。チームの誰かが、そのアイデアを提案してきたら、「素晴らしい」と、言葉をかける。

 なぜか。これは自分が出したアイデアだと、その人に思ってもらいたからだ。クライアントと仕事を進めていく際、一緒にプロジェクトを進めているという姿勢で常に臨んでいた。自分がどれだけクリエイティブなアイデアを持っていても、スタッフたちの意見を取り入れ、「あなたのおかげで、数段よくなった。私たちみんなで成し遂げたのだ」と労をねぎらうことが欠かせない。

超不人気会社を超人気会社に変えた2つの言葉:日経ビジネスオンラインより引用)

何でもかんでも自分ファーストではなく部下の自主性を重んじること。自分よりも能力が低い部下を率いる時には大きな忍耐も必要と思います。

ゴーレム効果を遺憾なく発揮

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部下が受注間際の案件を失注してしまったとしましょう。そんな時に上司は言います。「あのA商事はお前の案件の進め方が甘かったんだよ。またかよ。何回同じことやってるんだよ。次は絶対しくじるなよ。」

どうしても会話というのは受け取る側の感受性に依存してしまう部分があるので、上司としては発奮させるために伝えたとしても部下に取っては傷に塩を塗られる思いになるのではないでしょうか。

ゴーレム効果という言葉をご存知でしょうか?

簡単に言うと今回の場合、「部下は能力が低いからいつも失敗するものだ」という印象を上司が持ち続けた場合に、実際に悪い結果となって現れてしまうといった内容です。

「あいつは出来ない」「何度言っても絶対に変わらない」「あんな簡単な事、俺だった1時間で出来るぞ」

こういう言葉を使うたびに植物が萎れていくように部下も腐っていく事になってしまうのです。

逆はピグマリオン効果といって良い期待をすることで良い結果が現れるという内容です。

良い上司になるためにはゴーレム効果ではなくピグマリオン効果を意識して部下に接する方が良いでしょう。

以上、読んでドキッとした方は明日から部下への接し方を少し変えてみるべきではないでしょうか。

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