リーダーシップはそう簡単には身につきません。そして、リーダーとして何かしらの実績や成果を出すことができたとしても、そこでリーダーシップが完成したわけではなく、引き続き修練が必要です。そうした日々のコツコツとした修練や努力がなければ、現在の地位や権利にしがみつくような小さなリーダーになってしまいます。
そこで今回は、リーダーシップを身につけるための3つのポイントについて、具体的に見ていくことにしましょう。
明確なビジョンと価値観をメンバーと共有しましょう
大勢の人に支持されるリーダーには、「どんなことを優先するのか」といった価値観や、「何を達成したいのか」といったビジョンがあります。こうしたビジョンと価値観が明確でブレていないことに共感してこそ、人の心は動きます。
リーダーは自らが達成したいと切望するビジョンと、大事にしたい価値観を持てば、自ずと言動が変わってきます。そして、その言動に共感した支持者が周囲に生まれてくるのです。
まず、明確な価値観を持つ上でのポイントは、組織を運営する上で周りの人たちにやってほしくないことを考えてみましょう。逆説的ですが、ここに価値観が隠れているものなのです。また、ビジョンを描く上でのポイントは、今置かれた環境での課題解決といった短期的なものではなく、実現することを想像するとワクワクして仕方のないことを描くようにしましょう。
ここで注意ですが、「メンバーがどうしたらついて来るのか?」、「他人の心を動かすことができるのか?」といった思考は今すぐやめるようにしましょう。そこに愛はなく、真のリーダーシップが育たないからです。
モデリングしてみましょう
憧れの人や目標とする人の言動を真似ることをモデリングと言います。
そこで、話し方ならAさん、人との接し方ならBさん、ビジョンの持ち方ならCさんといったように、それぞれの局面でモデリング対象を変えてもかまいません。モデリング対象者を決めたら、その人たちの特徴を思いつく限りいくつも書き出し、自分との差を「見える化」していくことがポイントになります。
例えば「持っている思考の軸がブレない」「決断力がある」「誰に対しても平等である」「いつでも感情の起伏がない」などをどんどん挙げていき、その項目一つ一つに対して自分がどれくらい当てはまるか評価していきましょう。
評価方法はなるべく簡単にし、「あてはまる」ようなら3、「どちらともいえない」ようなら2、「あてはまらない」ようなら1などとし、採点しながら可視化するのも得策といえます。いずれにせよ、主観的にも客観的にも理想と現実との溝をきちんと捉えることが重要です。
行動する計画を立てましょう
理想と現実との溝を把握したところで、次にそれを埋めるための行動計画を立てていきましょう。例えば、チームメンバーの意見をきちんと聞いていなかったときは、毎朝、短時間でもいいので、一人ひとり個別に意見を聞く時間を作るようにするなどでもよいでしょう。また、メンバーにねぎらいの言葉が足りていなかった場合は、要所要所でそこまで取り組んだ作業に対し、労をねぎらう言葉をかけることでもよいでしょう。
このような行動計画が次第に習慣化していくことで、徐々にリーダーシップが高められていきます。
さらに、こうした行動を数カ月おきにチェックし、達成したことを必ず振り返る時間を作るようにしましょう。自分の取り組みや工夫、努力、成長が目に見えるようになってくればモチベーションもどんどんアップしていきます。また、そのように行動して変わろうとしている姿勢を周囲のチームメンバーも認めてくれるので、実践する効果は大いにあります。
毎日のコツコツとした取り組みが重要です
いかがでしたでしょうか。リーダーシップは一朝一夕には身につかないことがおわかりいただけたでしょうか?
しかし、毎日の小さな積み重ねこそがリーダーシップを育んでくれます。最初の踏み出し、一歩目の取り組みは大変かもしれません。途中で諦めてしまうかもしれません。
しかし、コツコツと努力を続けることで、必ず周囲の見る目も変わってきます。諦めずに理想となる姿に近づくまで、溝を埋め続けることが大事です。ぜひ、行動してみてください。