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「捨てること」が成功の要因!?知っておきたいドラッカーの廃棄理論

ジャック・ウェルチという人物をご存知でしょうか?ビジネス書をよく読まれる方であれば一度や二度は目にしたこともあるでしょう。彼は1981年に自動車メーカーのゼネラル・エレクトリック(GE)のCEOに就任し、数々の経営手腕を発揮し世界最大の自動車メーカーに育て上げたことで知られています。

ウェルチが行った経営改革の中の一つで有名なものが、市場でトップシェアまたは二番手の事業以外は、すべて捨てる戦略を取ったのです。

捨てることで資源に余裕を生み出し、その資源を新しい事業や利益を生んでいる事業に集中投下出来たためより多くの利益を稼ぐことが出来たのです。

そしてその経営判断をアシストすべき問いを出したのがドラッカーだったというわけです。

ドラッカーから問いかけられた問いは2つでした。

「今ゼロから始めるとしたら、今行っている事業を本当にやりたいと思うか?」

「もし答えがNOなら、あなたはどういう行動を取るつもりか?」

ドラッカーの廃棄理論とは

先ほどのウェルチの例はドラッカーの廃棄理論の成功例ですが、そもそもドラッカーの廃棄理論とは何でしょうか。

それは1964年に出版された著書の中でこう記されています。

まさに廃棄は、資源を解放し、古いものに代わるべき新しいものの探求を刺激するがゆえに、イノベーションの鍵である

『創造する経営者』ダイヤモンド社

一時期成功をおさめた商品やサービスでも時が過ぎれば陳腐化していきます。

テレビゲームだってファミコン、スーパーファミコン、ゲームボーイ、セガサターン、プレイステーション、ドリームキャスト、wii…発売された時は行列が出来るほどブームを起こしますが必ずと言っていいほど陳腐化し、新しい商品が世に出てきては同じことを繰り返していきます。

過去の成功したからといって、現状で売上も上がっていない、利益も出ていないのにズルズルやるべきではなく、スパッと廃棄し新しいことにチャレンジしていくことが重要だということです。

なぜ捨てなければならないのか

捨てることはなかなか難しいことです。

よくテレビでゴミ屋敷に暮らす人の特集があったりしますが、そこで暮らす住人は一様に「俺にとってはゴミじゃない。必要なものなんだ」と言います。

会社経営においては個人の意思だけでは済みませんのでより一層事業を廃棄するといった事は難しい決断になることでしょう。

ただし捨てなければゴミ屋敷でいうところの「通路」は確保できませんし新しい物を置くスペースも確保出来ないのです。

また企業は自社の事業の評価を行う時に、希望的観測で考えるケースがあまるにも多いとドラッカーは述べていました。

希望的観測も同時に捨てて、残し伸ばすべきか捨てるべきかどうかを見極める必要があるのですが、このポイントは後ほど記載します。

捨てることで生まれるチャンス

捨てるべき事業を捨てる事で、その分の資金や人員や施設や時間といった資源を新しい事業に振り分けられるといったことは前述したとおりで、そうした資源を活用して新しい事業にチャレンジしたり、既存の事業を強化出来る。

推進すべき事業を見つけるのは難しい話ではなく、投下した資源に対して何倍もリターンが得られる可能性があるものを探せばいいのです。

またもう一つ捨てる事で生まれるメリットがあります。

それはもしこれまで自社の主力事業として取り組んでいた主役級のものを捨てれば、それに代わる事業への取り組みに抵抗を感じずにすむ。

その結果、ドラッカーの言い方をすれば「新興企業的」な発想を育む効果もあるのだ。

「将来に好ましい結果をもたらす製品やサービス、プロセス、テクノロジーに、今取り組めるようになる。

イノベーションと起業家精神』ダイヤモンド社)

今風で言うとスタートアップ的な文化を醸成することにもなるため、硬直化した組織からの脱却が図れるというところも大きなメリットということでしょう。

捨てるべきか見極めるポイントとは

A businessman standing in front of a lit wall with a question mark looking like a shadow

ドラッカーは長年の経験に基づいて、捨てるべきパターンとして次の3つをあげていました。

  • まだ数年は寿命があるように見える時
  • 完全に償却済みであること以外に存続すべき理由がない
  • 古いものが維持される結果、新しい可能性が黙殺されたり、成長が阻害されているとき

また逆に力を入れるべき事業や取り組みについてもまとめました。

  • 常に利益が見込める稼ぎ頭とまだ開花していないが大きな可能性がある事業
  • 将来的に稼ぎ頭に取って代わる事業を開発
  • 無理・ムラ・無駄やコストを削減する

最後に

今回は経営論的な話になっていますが、個人の仕事の中でも「廃棄」出来ることはないか考えてみましょう。

捨てることで自分の時間など資源の余裕が生まれ、新しいことにチャレンジ出来るようになります。


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