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奇跡の逆転優勝を引き寄せた栗山英樹監督のチーム作りとは

最大11.5ゲーム差からの大逆転でパ・リーグの優勝。そして日本シリーズも広島カープに2連敗後の4連勝で10年ぶり3度目の日本一を果たした日本ハム。そのチームを率いるのは栗山秀樹監督です。今日は栗山監督の逆境から大逆転出来るチーム育成術をまとめていきたいと思います。

困ったらリスクを負って若手を起用

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平均年齢25.3歳とリーグでも一番若い選手で成り立っている日本ハム。栗山監督はチャンスの場面でもピンチの場面でも通常であればベテラン選手を重用する場面であえて若手を積極的に起用します。

その理由として、今後のチームを引っ張らせるため、若手選手の伸び代を伸ばす「種まき」のために起用しているのです。例え代打でベテランを起用し、結果を残すことでその試合には勝てるかも知れませんが、もし若手であれば経験を積ませる事も出来ますし、起用が成功すれば大きな自信にもつながります。つまり得れる効果はベテラン選手に比べ大きいという事ですね。

責任はすべて自分で背負うことで選手への負担を軽減

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栗山監督は選手のエラーが起因で敗戦したとしても、その事を指摘し愚痴を言う事は滅多にありません。むしろそういうときにこそ「自分の采配ミスだった」とマスコミに語り、自分の責任として受け入れます。

これには賛否両論あると思いますが、ミスを叱責することでミスを恐れる消極的なプレーばかりになり積極的なプレーが鳴りを潜める事になるかも知れません。

特にプロの世界は結果がすべてですから結果を出すためのプレッシャーに潰され、萎縮する選手も出てくるでしょう。特に優勝が掛かった大一番についてはそういった類のプレッシャーを選手個人ではなく監督である自分が受け入れる事で、選手への負担を軽減させる効果が見込めます。とは言え責任をすべて受け入れるというのは器が大きくないと出来ないことです。

「らしさ」を重視する起用法

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2015年シーズンの出来事になりますが怪我でプレーがままならないベテランの田中賢介選手の起用法について、コーチ陣は選手登録の抹消を進言(2軍でのプレー)するものの、栗山監督はこれを固辞し強行出場に踏み切ります。

なぜこういった起用に踏み切ったかと言うと若い選手が多い中で、試合のためにどういう準備をしどういう姿勢で野球に取り組むのか姿を見せたかったためです。

この試合で田中選手はヒットで出塁後、3塁まで進塁し、センターへの浅いフライの際に怪我のため痛めている右肩を庇いながらタッチアップし得点をもぎ取るのです。

「やめるのは簡単。出来るのを探るのがプロの仕事。チームのために何が出来るのかを考える事が重要だ。」と選手へ伝えているそうです。

そのほか日本シリーズ第5戦でサヨナラ満塁ホームランを放った西川選手の起用についても「らしさ」を重視するエピソードがあります。こちらも2015年シーズンの出来事で2年連続の盗塁王が視野に入るほど前半は好調だったものの後半戦に入り打撃面で大きなスランプに陥ります。そのプレーぶりはミスを恐れ失敗する度に申し訳ないような姿が垣間見える様子だったのです。

悩んだ挙句栗山監督は2軍行きを通告するのですが、それは結果だけを見ての判断ではなく西川選手のために、がむしゃらに取り組むプレーを取り戻して欲しい、「らしさ」を取り戻すためのきっかけになればという想いでの通告だったのです。本当に選手のためになることを考え抜いたときには憎まれても構わない、まさに「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」想いで、深い愛情が故にやりきるように考えているのです。

スター選手でも特別扱いしない姿勢

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日本ハムのスタート言えば2刀流で高い成績を残している大谷翔平選手だが、栗山監督の評価は意外なほど低い。

 「全然すごくない」とばっさりです。例えば本当にピンチの場面での投球でアウトコース低めいっぱいに投げる事が出来ずに痛打を許したりするケースがあったのですが、それは大谷選手が持っている資質や能力を考えると「まだやれるはず」という期待の裏返しなのです。

大谷選手の成績は投手としても野手としても超一流の成績である事は間違いありませんが、選手の能力を冷静に見極め、まだ伸び代がある点において期待を掛けるためにも特別扱いしない姿勢は見習いたいものです。

野球以外からも知見を取り込む

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栗山監督の住まいは札幌市内から1時間ほど離れた栗山町という場所にあるそうです。たまたま町名が一緒だったという訳ではなく、あえて運命めいたものを感じ自ら不便と思われる栗山町に居を構えているのです。

試合がある時の車での移動時間には論語や菜根譚など中国古典をはじめ、偉人の作品のCDを聞くそうです。野球以外からも野球に活用できる知見を取り込むよう意識しての取り組みなのだそうです。

さいごに

栗山監督はリーダーとして必要なチームビジョンと、それを成し遂げるための戦略をうまく浸透させる事が出来たと思います。

チームに自分の野球哲学を浸透させるためには、自分の言葉で自分が信じている信念を伝える必要があります。校長先生の訓示はまったく心に残りませんが、栗山監督のインタビューなどを聞いていると非常に愛情溢れる監督だなと画面越しでも感じます。

まだまだ若い選手が多い日本ハムは今後黄金時代を迎えそうな雰囲気を感じさせるとても良いチームだと感じます。


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