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広島カープの優勝から学ぶしぶとく逆転勝ち出来る強いチームの作り方とは

9月10日ついに25年ぶりに広島カープがセントラルリーグで優勝を果たしました。

ここ数年、急激に実力をつけて優勝候補に挙げられるようになった広島。ついに優勝を勝ち取ったその要因と強いチームを作るために必要なことを学んでいこうと思います。

主力メンバーの固定

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昨年に比べ若手選手の台頭とパフォーマンスの安定化が出てきたためにスタメン選手が固定的になってきました。

元広島カープの衣笠氏も言われていましたが同じメンバーで戦っていると仕事がやりやすいのです。例えば守備につく場合でも同じメンバーで戦っていればお互いの守備範囲が把握出来るため際どいところにボールが飛んできたときにどちらが取るのか判断がしやすいということです。

ほんの数センチの打球の行方で勝敗の差を分けることもあるでしょうからメンバーが固定化されるメリットは大きいのです。

それがひいては失策の少なさにつながっていて、現在広島はリーグ2番目の失策の少なさを誇っているのです。

積極的な走塁

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広島の伝統野球は高い走塁能力にあります。

塁上にランナーがいて、打者がシングルヒットを打った場合、塁上のランナーは2つ先の塁を積極的に狙う走塁をします。

また盗塁も多く、盗塁数はセリーグトップの113盗塁で2位のヤクルトが75盗塁なので40盗塁近い差が出ているのです。

高い走塁意識は得点力の向上にもつながっており得点数のリーグトップの640得点。同じく2位ヤクルトの557得点を大きく上回っています。

走塁能力の高い1番田中選手、2番菊池選手、3番丸選手が出塁し得点圏にランナーを溜めた状態で得点圏打率の高い4番新井選手がランナーを返す図式を何度も見てきました。(盗塁数、得点数の数字は2016年9月10日現在)

チームプレーに徹する姿勢

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菊池選手はあるスポーツ番組のインタビューで語っていたのですが、去年までは初球から積極的に打つところを今年はなるべく相手投手に球数を投げさせるようにしているとのこと。これは相手投手になるべく球数を投げさせることによりスタミナの消耗を狙う効果もありますし、相手投手がどのような球種を持っているのか、どのような球筋のボールを投げてくるのか、調子はどうなのか味方選手にイメージを少しでも伝えることができるのです。

また菊池選手の打球についてもチームプレーを現すデータがあり、菊池選手は右打者ですが、去年は打球の50%がレフト方向だったものが今季は40%がライト方向への流打ちに変わっているというところです。

一般的に一塁にランナーがいる場合、ライト方向へのヒットの方が一塁ランナーは三塁で進塁しやすいのです。

そしてこの傾向は菊池選手だけではなく4番の新井選手もあり右方向へのタイムリー映像を何度もニュース番組で見ました。

打順に関係なくチームプレーに徹する姿勢を強く感じました。個の適性や特徴から適材適所に配置しつつ、全員がチームプレーに徹するようなチームはやはり強いものですね。

充実のリリーフ投手陣

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投手陣については今年は前田投手がメジャーへ移籍したために戦力ダウンを懸念されていましたが、それを払拭したのは充実したリリーフ陣の活躍があったからだと言えそうです。

特に6~9回のときに出てくる投手陣(今村選手・ヘーゲンス選手・ジャクソン選手・中崎選手など)は防御率が低く安定しており相手チームへの逆転や勝ち越しを許さず、勝ち切るゲームが多かったです。

接戦に勝ち切る試合を何度も経験しており大崩れしない姿は強者の風格を感じます。

外国人選手の活躍

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個人的には広島カープが12球団一優良な外国人選手が取れていると感じます。

現在広島のスカウトは元広島に所属した経験もあるシュールストロム氏が海外スカウトを担当しています。これまでにラロッカ選手、ルイス選手、バリントン選手、サファテ選手など素晴らしい実績を上げた選手を数多くスカウティングしています。昨年から今年に掛けてもクリス・ジョンソン投手、ヘーゲンス投手、ジャクソン投手などをスカウティングし大活躍しています。

シュールストロム氏は自分の足で地道に試合を見て判断を下しており、ビデオ映像やデータだけで判断することはないようです。そしてチームプレーに融合できるかも重要な判断基準として見ており自身の経験から日本のプロ野球に適応出来てるかも慎重に見極めているのです。

これはビジネスで言うと履歴書に記載された応募者の経歴だけで中途採用を決断するのではなく実際に現場を見て応募者とも面会をし仕事場のビジョンと照らし合わせ適応があるか慎重に採用を決めなければならないということです。

ファン層の拡大。カープ女子の応援?

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2004年に日本のプロ野球は球界再編問題が起こり、球団数を減らし1リーグ制にする話がありました。もしそうなれば当時の広島カープはBクラスの常連で弱く人気もない球団だったので消滅の可能性もありました。

時を同じくして本拠地である広島市民球場の老朽化も進み新球場建設の話も出てきました。ここで新球場のコンセプトをメジャーの球場を参考にした「ボールパーク」にすることをしました。

これまでの野球の球場と言えば、野球観戦をするところでありそれ以外のエンターテイメント性はなかったのですが広島のズームズームスタジアムは他球場との違いが数多くあります。

・家族やカップルでもゆったり寝そべって観戦が楽しめるネソベリアというシートがある

・バーベキューをしながら観戦できるシート席がある

・球場を1周できるコンコースがありグルメが充実している

・お化け屋敷がある

・大きな滑り台やふわふわな部屋で子供が遊べる施設がある

などなど。広島の球場は野球観戦だけじゃなく来るだけで楽しいところという施設になることをコンセプトに作られているんですね。

その結果、ファミリー層、カップル、女性客だけの観戦も増えました。「カープ女子」という言葉が流行しましたが今では広島の試合はいわゆるドル箱試合となっており巨人・阪神に次ぐ人気球団となりました。

カープ女子が増えた影響で黄色い声援を受けた選手はこれまで以上に発奮するでしょう(笑)。

今後の活躍に期待するとともに組織マネジメントにも応用出来る部分があったのではないでしょうか。

参考にしていただければと思います。

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