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歴史から考える経営論~「王道の経営」「覇道の経営」~

歴史から考える経営論

経営には様々な手法や考え方が存在します。
その中で今回は「王道の経営」「覇道の経営」について紀元前200年前ごろに中国で活躍した、「項羽(こう う)」と「劉邦(りゅう ほう)」を例として取り上げてご説明したいと思います。

歴史とは人類が過ごした履歴であり、その履歴には現代に通ずる事例が数多くあります。
しかし歴史については諸説ありますので、そこはご了承頂ければと思います。

王道の経営

王道の経営の「王道」とは帝王が仁徳をもととして国を治めるやり方を指します。
つまりは善の心やその「徳」をもって経営を行うということです。
その「徳」とは身についた品性、社会的に価値のある性質、善や正義にしたがう人格的能力です。

覇道の経営

覇道の経営の「覇道」とは、覇者が武力や権謀によって天下を支配する政治のやり方を指します。
つまりは権力やその「力」をもって経営を行うことです。

「項羽(こう う)」と「劉邦(りゅう ほう)」

項羽(『晩笑堂竹荘画伝』)

項羽(こうう)又は 項籍(こう せき)

姓は項、名は籍、字が羽である[2]。以下、一般に知られている項羽(こうう)の名で記す。
項羽は、末期の武将。秦に対する造反軍の中核となり秦を滅ぼし、一時“西楚の覇王[1]”(在位紀元前206年紀元前202年)と号した。その後、天下を劉邦と争い(楚漢戦争)、当初は圧倒的に優勢であったが人心を得ず、次第に劣勢となって敗死した。

【参考文献】ウィキペディア:項籍(2016/07/08 アクセス)

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漢高祖像

劉 邦(りゅう ほう)

劉 邦は、前漢の初代皇帝。沛県の亭長(亭とは当時一定距離ごとに置かれていた宿舎のこと)であったが、反秦連合に参加した後にの都咸陽を陥落させ、一時は関中を支配下に入れた。
その後項羽によって西方の漢中へ左遷され漢王となるも、東進して垓下に項羽を討ち、前漢を興した。

【参考文献】ウィキペディア:劉邦(2016/07/08 アクセス)

先にご説明しました「覇道」を行ったのは項羽です。

項羽は2mをも超えると言われる恵まれた体格を持ち、怪力でありながら才気もある人でした。
皆からも一目置かれる存在であった項羽はどんどんと頭角を現したが、降伏した城兵や捕虜の20万人を生き埋めにするなどの残虐的な行為も行っていました。

劉邦は逆に「王道」を行った人物です。

酒色を好んでいたとされ、女好きの大酒飲み。戦も失敗続きで項羽のような才気も感じられないのですが、何故か周りにはいつも人が集まる。そんな人でした。
この後、何度も項羽と戦うのですが、適わないと泣き言をいう事も。それでも周りに支えられ天下を統一します。

項羽の最後に「四面楚歌」という有名な四字熟語があります。

項羽は四方の漢の陣から故郷の楚の歌が聞こえてくるのを聞いて、「漢軍は既に楚を占領したのか、外の敵に楚の人間のなんと多いことか」と驚き嘆いた。この故事から“周囲を敵に囲まれること”を「四面楚歌」と言うようになった。

一方劉邦は天下統一を果たし、家臣たちと酒宴を行っていた際、自分が天下を勝ち取り項羽が敗れた理由をこう語っています。

わしは張良の様に策を帷幕の中に巡らし、勝ちを千里の外に決する事は出来ない。
わしは蕭何の様に民を慰撫して補給を途絶えさせず、民を安心させる事は出来ない。
わしは韓信の様に軍を率いて戦いに勝つ事は出来ない。
だが、わしはこの張良、蕭何、韓信という三人の英傑を見事に使いこなす事が出来た。
反対に項羽は范増一人すら使いこなす事が出来なかった。これが、わしが天下を勝ち取った理由だ。

 

ここから読み取れることは、劉邦は自分自身の力を客観的に理解しており、自分の力のみではなしえない事を知っていた。だからこそ、共に戦う仲間の良さや強みを認めて生かすことが出来た。そして自分1人ではなしえることの出来なかった天下統一という大きな目標を達成させることが出来たと考えられます。

このように「項羽(こう う)」と「劉邦(りゅう ほう)」以外にも 曹操(そうそう)と劉備(りゅうび)、日本では信長と家康など、これまでの歴史の中で「覇道」と「王道」を行ってきた人物は数多く思い当たるのではないでしょうか。

それぞれの生涯を見ますと「覇道」で成功を収めた人物は少ないです。

これと同様に経営も「王道」=「徳」をもって行うことが大切ではないかと思います。

有名な経営者の中で例として挙げるとしたら、松下幸之助さんも「王道」の経営者であると考えます。

会社というものは自分の力だけでは限界が必ずやってきます。

「項羽(こう う)」と「劉邦(りゅう ほう)」や歴史を見ても人の大切さというものは学ぶ事が出来ますし、またその人達の良さの生かし方も数多く伝えられています。

経営論は様々な考え方があり、正解はないものではありますが、この機会に歴史、そして共に歩いてくれる「人」について考えてみるのも良いのではないでしょうか。


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