チームをマネジメントする立場になった時にどのような能力が必要なのかしっかりと把握出来ているでしょうか。
そこで今日はドラッカーが提唱したマネージャーに必要な5つの基本的能力を紹介します。
1.目標を設定する能力
2.組織化する能力
3.動機づけする能力(コミュニケーション能力)
4.評価測定する能力
5.人を育てる能力
ドラッカー【エッセンシャル版】マネジメント 基本と原則より
目標を設定する能力
数値目標の設定はマネージャーに必須な仕事です。
現有戦力を見極めながら短期・長期的な数値目標を作成します。
またそれ数値目標以外にも、自分たちの使命を設定する事も必要です。
ドラッカーは会社が存在する意義を利益を上げるためではなく「顧客を創造する」と問うていました。
世の中に対し、自分たちはどのような存在でどのようなメリットを提供する事が出来るのかを設定するのです。
使命が明確になれば、それを働くチームメンバーなどに共有し理解させる事で強い使命感と意欲をもたらすのです。
組織化する能力
組織が活動していく中で必要になっていくのが役割分担です。
活動期間が長ければ長いほど、この役割分担が決まっている会社やチームは多いですが立ち上げ期はうやむやな状態が多いものです。
そこで仕事の内容を分解して、「誰がその仕事を行うのか」、「意思決定は誰がどの責任まで負えるのか」を決定していくのです。
また重要なことは各仕事を担当させるためには各メンバーの強みによって選んでいくのです。
動機づけする能力、コミュニケーション能力
メンバーのモチベーション管理にやきもきしながら取り組んでいる管理者はたくさんいる事でしょう。
ドラッカーはまず動機づけについて、働く人の満足に焦点を当てるべきではなく、責任に焦点を当てるべきだと問うています。
まずなぜ満足に焦点を当てるべきではないかと言いますと、働くメンバーにとって、何かを達成する事に満足を覚える人も居れば、何事もなく平穏無事に過ぎていく事に満足を覚える人も居れば、どのような環境下でも不満ばかり口にする人もいるわけです。
つまり「満足とは人の価値観による部分が大きいから評価が不可能っす!」と言ってるわです。
その上で動機づけとは責任を課す事であると言うのですが、なぜなら企業は社会に対し仕事を立派に果たす必要があるからです。社会にベネフィットを還元するために一定の結果を出す必要があるというわけです。
そこでマネージャーはメンバーに対し、コミュニケーションをしっかりと取り、仕事を遂行していく上で障害になり得るものはないかをヒアリングしながら、仕事に対して高い水準の要求を行う必要がるのです。
評価測定する能力
仕事の成果を評価測定する事もマネージャーの仕事です。
各メンバーの日々の活動量と成果について、当初の目標と比べ目標を達成したかどうかを分析します。
また数値目標以外にも、仕事に取り組む姿勢や組織としての貢献度も分析し評価を下します。
人を育てる能力
長く組織を活動させるために人材育成が必要だという事は重々承知の事だと思いますが、では実際にどのように人材育成に取り組むべきなのかというと明確な答えを持っているマネージャーは少ないと思います。
でもここまで読んでいただければ大丈夫です。
人材育成のコツはまさに今まで紹介した1~4の項目を実践し反復しより高いレベルに昇華させる事にあります。
また人材を育成するためにはマネージャーである自分自身が高いレベルでマネジメント出来るように自己研鑽を行う必要があります。
もし無能なマネージャーが組織を運営していたら誰もそのマネージャーのいう事を本気で受け止めないでしょう。いつしか綻びが出てくるのは間違いありません。
つまりマネジメントとは究極的にはセルフマネジメントでもあるわけです。
まとめ
今回紹介したこの5つの基本的な能力については後天的に学ぶことが可能と言われています。
ただしマネージャーにとってそもそも必要な素質があるとドラッカーは言っています。
それは「真摯さ」です。
特別に誰よりも高いスキルを持っていたとしても、社会のためメンバーの幸せのため思えるようなマネージャーことの方が大切だということですね。
「いかに知識があり、聡明であって、上手に仕事をこなしても、真摯さに欠ける組織は破壊する。組織にとって最も重要な資源である人を破壊する。組織の精神を損なう。成果を損なう。」
ドラッカー【マネジメント(中)】