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転勤を断ることはできるの?「内示」と「辞令」のタイミングで変わるって本当?

ある日突然上司から「地方の支店に行って欲しい」と言われると、誰でも少なからずショックを受けるものです。
支店が多い会社に勤務している以上、転勤は誰でも覚悟する必要があります。
しかしできればずっと住み慣れた地域で暮らしていきたいと思いますよね。

転勤は断ることができるのか、上手く断るコツはあるのか、断ったらどうなるのかなどを知っておきましょう。

1.急に転勤の辞令が出ることはまずない

ドラマなどでは、ある日突然、会社で辞令が張り出されて、本人が青ざめるというシーンがあります。

しかし一般的な会社では、突然辞令が発表されることはまずありません。
人事異動の際にまず行われるのが「内示」です。
これは辞令が出る1ヵ月~1週間位前に行われるもので、これにより本人に異動予定であることを知らせるのです。

つまり、辞令が出た時には既に本人が知っていると考えて良いのです。

2.「辞令」と「内示」の違いとは?

今回は「転勤を断れるか」という内容ですが、その前にまず辞令と内示の違いを説明します。

・辞令

辞令とは、人事異動に関する「業務命令」です。
会社には業務命令権があり、労働者はそれに従わなければなりません。入社する際に労働契約書や就業規則などが渡されますが、その中に「業務命令に従うこと」と明記されているはずです。社員ならば業務命令である辞令は拒否できないのです。

もしも拒否をすると業務命令違反となり、懲戒の対象となります。

・内示

内示とは、人事異動を「うちわで知らせる」ことです。大体が口頭で「君は○○に転勤に決まったよ」と言われるのですが、文書の場合もあります。ただし、こちらの場合は「見込み通知」であり、決定ではありません。

さらに余談になりますが、会社によっては「打診」もあります。
これは上司から「転勤の予定があるけれどもどうかね?」という探りを入れることです。

内示も打診も本人のために早目に知らせてあげることを目的としています。

3.辞令前ならば断われる可能性がある

blankさて、転勤がどうしても嫌だという場合ですが、辞令が出る前の内示の状態ならばまだ断れる見込みがあります。

何故ならば、内示というのはそもそも「本人に断る機会を与えるため」にあるからです。
もちろん打診の段階ならばより断りやすくなります。

会社が異動の辞令を出す場合、常識的な業務命令の範囲内であることが前提です。
そして一度辞令が出てしまったら、本人は拒否できません。どうしても嫌ならば辞職するしかなくなります。

しかし内示の段階ならば、まだ業務命令ではありませんので、正当な理由があれば断ることができるのです。
ただし、それを会社が必ず認めてくれるとは限らないことを理解しておきましょう。

4.転勤を拒否する正当な理由とは?

blank内示の段階ならば拒否はできると説明しましたが、そのためには正当な理由が必要です。単に「引越すのが嫌だ」「仕事を変わりたくない」というのでは認められません。

現在多くの会社で内示を取り下げるのに有効だとされている理由には以下のものがあります。

・家族に介護が必要な人や乳幼児がいて、面倒を見る人が本人しかいない
・本人が疾病を抱えていて転院できない、あるいは転勤先での職務が遂行できない
・雇用契約書で勤務地や職種が限定されている
・会社が不当なリストラのためなど、権利を濫用していると思われる

逆を言えば、これら以外の理由が認められることは難しく、たとえ家を新築したばかりであっても、正当な理由にはならないという訳です。

5.転勤は内示される前に回避することが大切

Client at shop paying at cash register with saleswoman転勤は、内示が出てからだと拒否をするのにエネルギーを使うし、断ってしまうと居づらくなることもあります。もし転勤をしたくないのならば、内示が出る前から根回しをしておくことも大切です。

上司とコミュニケーションをとっておく

日頃から上司とのコミュニケーションが取れていれば、事情を理解してくれる可能性が高くなります。
健康状態が良くない、要介護度の高い家族がいるなどの事情が分かっていれば、上司が最初から転勤の対象に選ばれない様に配慮してくれるでしょう。

もしも上司との関係が良好であれば、多少ワガママでも「今の仕事でもう少し頑張りたい」と言えば認めてくれる可能性があります。
あるいは重要な取引先から贔屓にされている存在ならば、会社の為にも異動させない様に上司が取り計らってくれるでしょう。

「知らなかった」で悪い状況へ流されない様に、普段から上司とのコミュニケーションを取っておきましょう。

面接時に確認しておく

転勤をしたくなければ、入社する前から予防線を張っておくことも大切です。面接を受ける段階で、転勤の有無を確認しておき、転勤を希望しないことを伝えておくのです。
ただし転勤がある会社の場合は、それが理由で不採用になる可能性も高くなります。

しかし不採用になったとしてもまだ入社前、入社後に辞令を断り懲戒を受けて辞職するよりは数倍マシです。

転勤を受け入れるという選択肢もスマートな対応の1つ

dreams of flight! child playing with toy airplane against the sky at sunset転勤に対して殆どの人は消極的です。
しかし行ってみれば環境が良く仕事もやり甲斐があって楽しい、ずっと転勤先にいたいと思う様になる人もいます。

あまり強く意地を張らずに「何年位で戻ってこられますか?」と上司と交渉して辞令を受ける、というのも社会人としてスマートな対応です。

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